「英語が繋いでくれた世界」②
- highgrove2021
- 2022年9月1日
- 読了時間: 2分
更新日:2月5日
*2020年の「タウンわたらせ」に掲載して頂いたエッセイを何度かに分けてご紹介します。
私が英語に興味を持つきっかけとなったのは、ハワイ出身の友人との出会いでした。彼は日系アメリカ人でありながら、見た目は典型的なポリネシア系のハワイアンという感じの男性でした。とても陽気で、人を包み込むような大らかな性格の彼は、一緒にいるとそれだけで心が和むような気分になり、それまでに出会ったことのないようなタイプの人でした。英語というよりは、まずその人の持つ雰囲気や人間性に、とても魅力を感じ、惹かれるものがありました。
その後、彼との出会いをきっかけに、後にカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、様々な国の人たちと知り合うことになるのですが、彼らと接する中で、言葉の違いだけではなく、文化や考え方の違いなどを感じて驚くこともたくさんありました。英語を学んでいるとよく感じるのですが、その様な違いが言語自体にも大きく影響していて、物の捉え方や感覚そのものが違うなと思うことがあります。そこが言語を学ぶ時の、一つの難しい点であり、同時に面白い点でもあると思います。彼らと接する中で、そのような異なる価値観に気づけることは、自分が何か新しい世界と繋がっていくような感覚で、とてもわくわくしたのを覚えています。
私が初めて出会ったハワイ出身の友人とは、しばらくメールでやり取りをしていたのですが、次第に連絡が途切れてしまいました。そして、再び彼と会ったのは、15年後の私が桐生に引っ越した当日でした。

彼は家族の用事で来日することになり、連絡をくれたのです。忙しいスケジュールの中、彼は喜んで我が家を訪ねてきてくれて、荷造りの手伝いまでしてくれました。私が、彼との出会いのおかげで、その後英語に関わる仕事をしてきたことや、これから英語を教える仕事をするということを伝えると、彼はとても驚き、喜んでくれました。人との縁や再会について話す時に、”paths may cross someday”という表現があります。直訳すると「道がいつか交差するかも」なのですが、ニュアンスとしては「いつかまた会えるかもしれないね!」という感じで、親しい人との再会を願うような表現です。思いがけず彼との再会ができ、人生で出会える人とのつながりって不思議だなと改めて感じる瞬間でした。
2020年1月掲載