『英語が繋いでくれた世界』③
- highgrove2021
- 2022年11月1日
- 読了時間: 2分
更新日:2月5日
*2020年の「タウンわたらせ」に掲載して頂いたエッセイを何度かに分けてご紹介します。
横浜で国際郵便業務に携わっていた頃、12月のこの時期は、一年の中の最繁忙期でした。クリスマスカードやプレゼントが海外から大量に届き、業務量が通常の4,5倍になります。大変な時期ではありますが、海外の郵便事業所とのやり取りをする書類の中に、何気なく私たち局員へのクリスマスのメッセージカードが入っていたりして、遠く離れた国々の郵便職員との繫がりを感じることができました。
国内郵便から国際郵便に部署が異動になったとき、始めは取り扱いの違いに戸惑うことが多くありました。国によって事業規模や形態が全く違う世界の郵便局同士で、手紙や荷物のやり取りをしなければならないので、国内のサービスとは違ったルールや基準があります。それらは、国連の機関の一つで、万国郵便連合という組織があり、そこで調整が図られているのですが、私は日々の業務に携わる中で、そのような各国の事業体や国連の働きなど、もっと知りたいと思うようになっていきました。
そんなある時、上司から海外で行われる研修に応募してみないかと声を掛けて頂きました。業務経験などはまだ浅い私でしたが、英語力が評価され、推薦してもらうことができました。

タイのバンコクにAPPC(アジア太平洋郵便大学)という機関があり、そこで4か月、様々な国の人たちと、各国の郵便事業体の取り組みなどを学ぶ機会がありました。
研修が始まってまず困ったことが、英語の発音の違いでした。特にインドの人たちの発音がとても聞き取りにくく苦労しました。確かに英語と一言で言っても、私がこれまでに触れてきたのは、アメリカ英語がほとんどで、国際語としての英語はもっと幅広いものなのだと実感する機会でした。また、各国の人達と出会い感じたことは、日本のように母国語だけでコミュニケーションがほぼ完結する国ばかりではなく、むしろ複数の公用語があったり、公用語と家庭で使う言語が違ったりということが一般的だということです。彼らは自分の母国語以外のコミュニケーションに対し抵抗がなく、とても積極的です。
今、日本を取り巻く状況も大きく変わってきています。これから日本の若い人たちも、より積極的に外国語を学び、グローバルな社会で活躍していってもらいたいと思います。
2020年1月掲載