top of page
検索

『英語が繋いでくれた世界』④(最終回)

更新日:2月5日

2020年の「タウンわたらせ」に掲載して頂いたエッセイを何度かに分けてご紹介します。

私は桐生の山間の地域に住んでいるのですが、毎朝家の近くを散歩するときに、山の景色の移り変わりを楽しむことができます。冬の澄んだ空気の中で、木々の葉も落ち、すっきりと見渡せるこの時期の山々の様子を見ると、自分も何か気持ちが改まるような感じがして、新しい一年をどのように過ごそうかといろいろと考えたりします。

この仕事をする中で、様々な方たちの夢や目標を伺う機会があります。海外の文化や価値観に触れ、視野を広げたいと、留学に向けて頑張っている若い方や、試験や仕事で使うわけではないのですが、「ここで英会話を習うのが夢でした」と仰られて、英語を学ぶこと自体に喜びを感じて下さっている方など、一人一人の方とお話していると、その内にある想いにとても心打たれることがあります。

教師として生徒の方たちと関わる中で学んだことは、この夢や目標を持つということがいかに大切かということです。それは、やる気や意欲(モチベーション)に深く繋がっているからです。このモチベーションには大きく分けて2つの種類があり、intrinsic(内発的)なものとextrinsic(外発的)なものとがあります。自分の心の内から沸き起こるものと、周りから言われたり必要に迫れられて義務感から生じるものという違いがあり、勿論前者の方が、動機としてはより強く長続きしますし、こちらがしっかりとある人は多少の失敗や困難があってもくじけたりしません。この内発的な部分を強めるためには、今やっていること、あるいはこれからやろうとしていることを、自分はなぜしたいのか、その理由を深く掘り下げて考えることが有効だと言われています。「なぜ」という問いを繰り返し、最終的に心の奥にある深い夢や望みを意識すること、これが何かを達成しようという動機の原動力となります。

私もよく自問します。なぜ自分は英語を学んできて、今それを教えるという仕事をしているのか。英語の学習は、学べば学ぶほど奥の深いもので、以前目標としてきたことも、それを達成してみると、更に大きな山が見えてきたりします。私自身まだ道の途上ではありますが、これまで英語があったからこそ出会うことができた人々や世界があり、そのような繋がりをこれからも大切にしていきたいと思っています。


2020年1月掲載

 
 

最新記事

すべて表示
2025年度 第1回英検合格者

5月、6月に実施された2025年度 第1回実用英語技能検定(英検)において、以下の生徒さん達が見事合格されました。  おめでとうございます!! ◎ 4級 S . Kさん                     ◎    5級 K . Wさん ...

 
 
bottom of page